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沈まんとする「日本国こくみん王朝」、国家再生と財政再建のためのグランドデザインを提供します。
決断のとき ![]() [NEW]終わりに掲載しました。(11/17) 第7章PART8掲載しました。(11/12) 第7章PART7掲載しました。(11/11) 4章までのあらすじ、追加しました(10/22) 内容紹介、追加しました(10/11) さくら咲誇るくに -財政再建私案ー 幕末の薩摩藩を再建した男 ひろさとが、日本国の再建に挑む 2010年10月10日連載開始から一ヶ月 いよいよクライマックス! 大帝の願いは? ご愛読感謝!! ご感想、ご意見お待ちしております 目次 (第4章までは基礎編です。お急ぎの方はあらすじを見られてから第5章をご覧ください。) 内容紹介 第1章 こくみん王朝のたそがれ PART1 PART2 第2章 田筑との会話 PART1 PART2 第3章 国の財政 PART1 PART2 PART3 PART4 第4章 民主主義の敗北 PART1 PART2 PART3 PART4 PART5 第4章までのあらすじ 第5章 100年計画と崩壊 PART1 PART2 PART3 PART4 PART5 PART6 PART7 PART8 第6章 希望の光 PART1 PART2 PART3 PART4 PART5 第7章 この一戦 PART1 PART2 PART3 PART4 PART5 PART6 PART7 PART8[NEW] 終わりに 主な登場人物 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
さくら咲誇るくに 終わりに
長々とまどろっこしい話にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。 こんなお話というか読み物というか、今まで書いた経験もありませんでしたが、今回、なぜか何かに背中を押されるように、これを書き上げてしまいました。もとより、専門家の書いたものではなく、さまざま穴だらけのお話になったと思います。しかし将来に対する不安と、このままではいけない、という思いは伝わったのではないかと、自負しております。 さくら咲誇るくに、という題名は、日本の国の花であるさくらに思いを託し、年々咲いては潔く散るさくらの花と、毎年の開花を支える幹とに、この国に生きる人々と、国の形を重ね合わせてみたものでございます。人々が生まれ、咲き誇り、散ってゆく。しかしそれも支える幹がしっかりしているからこそ、安心して花も散ることが出来るでしょう。しかし今のこの国は幹が大きな病に冒されている、そんな思いを託した題名です。 この桜の木が健康で、これから何百年も千年も越える時間にも耐えて、花を咲き続けることを祈念して。 ![]() 500兆円、日本国復活国債 ひろさと その通りでございます。借金のケリをつけるには一旦もう一段借金を増やす、と言うことです。これも薩摩の戦略です。 大帝 大丈夫かいな? ひろさと よくお聞き下さいませ。この新しい枠で500兆円を日本政府がいつでもにちぎんから引き出せる体制をまず作ります。ここで用意した資金をもとに、日本版国家ファンドを創設いたします。このための特別会計を新しく作る。これを使って為替に継続的に介入して円安に誘導いたします。 大帝 するとその資金で外貨を買って利権や資源を買おうと言うことだな。 ひろさと いくら投入していくか、どういう計画で買っていくかについては、デザインが必要です。買った外貨はもちろんタイムラグはありますが、国家ファンドで順次現物資産の投資に使います。この500兆円につきましては基本そういう投資勘定、バランスシートで言えば左側に必ず利権や株券や資産として資産計上されるようなものを買うと言うことでございます。今までのように米国債だけではなくて、有効性のある日本にとって役に立つ、将来仕える可能性のあるものを買っていく。決してその年で消えていく歳出には使いません。為替介入につきましては、ひとつの目途といたしまして、先ほど申しました通り、とりあえず購買力平価に至るまで介入をいたします。ただこれはあくまでも第一次の目標です。国内物価がずいぶん下がっていると言うことがありますので、その次の目標は内外価格差が内外比で国内が安いと言うところまで持っていくべきだろうと思っています。 それからこの500兆円の日本国復活国債ですがもうひとつ別の用途に使う可能性がございます。これは既存国債の価格が崩れたときこれを買い支える資金にもいたします。 大帝 既存の国債が値下がりしたときに、にちぎんに国債を買わせた資金で既存の国債を買うというのか?何やらよく前後の関係がわからんが。 ひろさと これはすなわち国債の将来起りかねない暴落に対する予防線であって、何があっても下げさせませんよと、にちぎんからいくらでもお金を出させますよ、ということで静かに世界へアピールするわけでございます。格付け会社には泣いてもらいます。 管宰相 それはややマーケットのメカニズムを壊しているように思いますが。 ひろさと その通りです。しかし通貨発行は本来こくみんの代表である政府に権限があるべきで、密室で選ばれた官僚やにちぎんの株主にあるべきではありません。政府がにちぎんから金を借りて金利で苦しむのはおかしいのではないか、との考えに基づきこのような計画を立てております。重要なポイントですが、にほん銀行から借り受けます500兆円ですが、この国債は割引国債、満期まで利払いの無い債券を政府が発行いたします。 田筑 割国(ワリコク)と言うやつですな。以前5年物の割国、と言うようなのがあったようですが、最近あまり見かけないですな。 ひろさと そうですね。この割国、私が今考えております割国は50年満期でございます。 大帝 50年?それはまたずいぶん先じゃのう。しかもその間金利は払わない、と言うことなのか? ひろさと その通りです。なお年利は現在の短期金利にほぼ等しい、0.1%程度でよいと思います。 大帝 なんじゃそれは?50年間0.1%で借りる?50年たっても、0.1掛ける50で、5%くらいと言うことか? ひろさと にちぎんにもやはり紙幣はただ紙にすったものとはいえ、手間賃と言うものが必要でしょうからそれくらいは払う、と言うことでございます。 皇太子 何か、それこそ薩摩藩の踏み倒しを思わせるような条件ではないですか?そのような条件でやってもいいのでしょうか? ひろさと 別段、何パーセントで無ければならないと言う決まりはありません。相対で決めることでございます。 管宰相 はー、何やら本当に焼討ちをするような話ですね。割引国債でにちぎんから大量に資金をほとんどコストなしで調達する?結局は政府紙幣に相当近いようなプランのような気がしますな。 ひろさと そうですね。政府紙幣であればコストは紙代、印刷代だけですが、国内に二つの通貨が並列するのは混乱も招きますので、この際にちぎんにたくさん印刷して出してもらおう、と言うことでございます。ただしこの資金は先ほども申した通り、超低コストで長期にわたって調達しますが、その資金は子孫の資産となるようなものへの投資にするということで、決して放漫財政の資金にしてはなりません。それともうひとつは既存の国債が下がったときに買い込んでこれに代える。すなわち高い金利の国債を買って安い金利のもものに替えるということで、財政再建の役にも立つということになります。 一同やや突然の話に、ちょっと呆然としてしばらく声が無かった。ようやく大帝が口を開いた。 大帝の願い 大帝 管宰相、どうじゃこの案は?こんなことが出来るのかな? 管宰相 いや、私もちょっと突然のことで判断が付きかねますが、法律的なつめなども考えなければ、ならないと思います。ま、現状でそこまで大胆なことをするべきなのかどうか。 ひろさと そこでございます。この焼き討ち計画のポイントといたしましては、私の見るところではその用意をしただけで、実際にこの資金を使わなくとも、円安に振れますし、今までのデフレ状態から脱却して、インフレの芽がでてくる可能性はおおいにあるとおもっておいります。管宰相、国家百年のためにご決断をされることを望んでおります。 管宰相 これは周りの影響もよくよく考えないと決められないが、どうであろうか? ひろさと これは織田信長の叡山焼き討ちに範を採ったものですが、宰相は高杉晋作がお好きなようですね。高杉は御殿山のイギリス領事館を焼き討ちしております。やはり時代を変えるためにはそのような蛮勇を奮う必要がある、と思います。 大帝 管宰相よ、いろいろ悩むところではあろうが、わしの願いは今はただひとつ、子孫に借金を残したくない、と言うことだ。これから生まれてくるものがのびのびと自分の人生を実現できるようなそういう国であり続けられるようにすることが、わしらに残された使命である、と思っている。何とか、そんな国であり続けられるように、そちたちが働いてくれることを期待しておる。 「さくら咲誇るくに」 終 ご愛読ありがとうございました。 第1章 PART1へ さくら咲誇るくに TOPへ にほん銀行を焼討ちせよ 田筑 それはまたちと、過激ですな。信長の比叡山焼討ちと同じような趣旨ですか? ひろさと それほどの蛮勇を奮わなければ、この難局は打開できない、と思っております。 なぜ中央銀行であります、にほん銀行を焼打ちしなければならないか?にほん銀行には大罪がございます。90年以降、あるいはプラザ合意の85年以降かもしれませんが、日本経済と国家財政は厳しい状況に追い込まれておりましたが、にほん銀行はバブルを作り出し、かつそれが崩壊したことによる日本こくみんの多大な苦しみがありながら、これについて大蔵省をその主犯に仕立て上げ、自らは被害者を演ずることによって、被告席に立つことを免れてまいりました。しかも、政治上の仇敵でございました大蔵省が、財政運営、経済政策、の失敗と不祥事の責任を負わされ、省の分割、金融政策権限の剥奪と言う処分を受け、権限が大幅に縮小された中で、自らは98年に政治からの独立をにちぎん法改正と言う形で獲得し、一段と自らの言う通貨価値の維持と言う「にちぎん教」の教義に従って、金融政策を運営できると言う自由度を得ました。その間、日本経済はデフレの進行、円高による輸出企業の荒廃、海外への生産移転の継続と雇用の喪失、国内の中小企業の切捨てと言うことが行われましたが、この円高と信用収縮に対しまして、これもにほん銀行は有効な手を打ってこなかった、円高と信用収縮はデフレにつながりますので、彼らの言う貨幣価値の維持と言う点で言えばこのほうが望ましい、という背景があるからであります。また一方BIS規制と言うアメリカから日本の銀行に仕掛けられた攻撃に対しても、大蔵省はこれに抵抗した形跡がございますが、残念ながらにちぎんにはその形跡は無いようでございます。むしろ三重野さんの回想を見ましても自らがいかに,国際金融界の要人たちと良好な関係を持ってスクラムを組んでいるとか、いうことは強調しておりますが、彼らが仕掛けてきている日本の銀行に対する攻撃と言うことについてはなんら言及がございません。これは本当にこの方が日本のために行動したのかどうか、疑念を抱かせるに十分な根拠になるのではないかと思います。 にほん銀行の大罪 1.バブルを発生させ、これを崩壊させた 2.BIS規制で縛られている日本の銀行システムの活性化を怠った 3.円高とデフレを放置し、デフレを善しとする教義に拘泥して国家国民を苦しめている 翻りまして、現在の日本の財政状況、いわば財政破綻と言ってもいい状況にありながら、なお自らの通貨価値の墨守という教義に拘泥しデフレからの脱却について有効な対策を採らない、あるいは確信犯としてデフレ状況を継続させている、にほん銀行には大きな罪があると私は思います。 田筑 うーん。それゆえに比叡山を焼こうと言うことですか。少し興奮してまいりました。 ひろさと さて、歴史を振り返ってみますと国家が大きな困難に立ち至ったときには、通貨発行権を使いまして、それ以前の失敗や不都合によって生じた債務やデフレから離脱することが必要であると思っております。昭和恐慌に対する高橋是清の対策を見ましても、戦争直後のこれこそ苦しみを伴なったものですが、このときの日本史上最大のハイパーインフレに付きましても、明治維新そのものに付きましても、もちろんたいへんな痛みを伴いましたが、振り返って見ればそれによって過去の負債やデフレを払拭して新しい時代のスタートを切れる体制にしております。幕末の薩摩藩の例でも、これは一種の権力の暴力ですが、もし島津重豪が決断力無く過去の債務から自由になることが出来なければ、明治維新という日本の夜明けも無かったということを、私たちに教えておるものでございます。 ここに、計画書を用意いたしました。「デフレ教の総本山、にほん銀行焼討ち計画」でございます。 管宰相 うーん、それはまた、過激ですね。強盗にでも入ろうかと? ひろさと 焼き討ちでございますから。信長になった気分で見てください。 まず第一に、にちぎんを治外法権化している現在のにちぎん法を速やかに停止し、旧にちぎん法そのもの、あるいは考えをそのまま生かしたにちぎん法に再改正を致します。これによって円という通貨発行権は日本こくみんに信任された日本政府にあることを高らかに宣言いたします。 次に、人事の断行。これまでのデフレ教信者を一掃し、中央銀行も天下万民のためにあることを理解する方を総裁以下に指名いたします。 これだけの準備の上で、日本国復活のためのにちぎん国債直接引受を実施していただきます。 ただし、すぐに国債をお引き受けいただくのではなく、まず日本政府向けのクレジットラインを作定させて、日本政府の指示にもとづき国債を引き受けさせる枠を確保いたします。この枠を500兆円用意していただきます。 ![]() 大帝 500兆円とはまた途方も無いな。しかもまた借金が増える、と言うことになるのではないのか? 第1章 PART1へ さくら咲誇るくに TOPへ ながらくお付き合いいただきましてありがとうございます。次回最終回でございます。 デフレの本山、にほん銀行 ひろさと さて、円安に誘導し、国の現在と将来の資産形成のための日本国家ファンドという案、いかがでしょうか? 管宰相 国家ファンドのことは以前から政策案としても上っていますが、問題もあります。それはそれとして、いったいどのくらいの規模を考えているのですか?円安トレンドを作るとなると、あまり小さくては無理でしょう。 ひろさと 当面100兆円、中期では数百兆規模かと。 大帝 そんな金がどこに? 管宰相 冗談ですか?国の税収は40兆円もないんですよ。 ひろさと これだけ強い円高トレンドを転換させ、将来の子孫に資産を残し、これを起爆剤に萎縮している金融を活気付かせ、インフレトレンドを作り出す。そのためにはそれだけの資金は必要でしょう。問題はそれだけの資金をどうやって用意するか? 皇太子 しかし、ひろさと殿。私は国家ファンドの話は外向きで積極的な感じがして、大変興味があります。どうやって資金を用意するんですか? ひろさと ここが私の秘策でございます。にほん銀行に国債を直接引き受けていただきます。 管宰相 それはまた乱暴な。 ひろさと 乱暴は承知しております。今の枠組みで国家ファンドを作るから国債を買え、といって、はいそうですか、とにちぎんが言うわけもございません。これはちと手強ございます。98年のにちぎん法の改正がございまして、日銀は政府からの独立性を獲得しています。以前と現在の日銀法を比較しますと、これは恐ろしいほどの変わりようでございます。以前の日銀法はにちぎんは国家のためにある、と言うことでしたが、現在は通貨の安定のためにあるということに変わっております。しかも以前は総理宰相は日銀総裁の首をいつでも切ることが出来たのですが、いまや任期中に日銀総裁を替えるということは、法的に本人に事故が無いと出来ない、と言う事になっております。 大帝 そんなことになっているのか。にほん銀行と言うのはあくまで政府の一部ではないのかな?どうなんじゃ、管宰相。 ![]() 管宰相 中央銀行の独立性と申しますのは、にちぎんに限らず世界的にそうした流れになっておりますし、政府からあまり強い影響を受けてはいけない、と言うのは一応もっともかと思っています。もちろん政策に協力はしていただきたいのですが。 ひろさと そこに私は大きな問題があると思います。確かに政府がおかしなことをした、それによって通貨価値がどんどん下がると言うことは好ましくない、というのは一般論としてその通りでございましょう。しかしながら、通貨のために人が生きているわけではなくて、人が生きるために通貨があるわけですから、本当に国の状況がおかしくなってきたという時に、それとは関係なく通貨の価値を守らなければならない、と言うことがあるのかどうか?今まさにそんな時ですが、それほど通貨価値というものが重要なのか、私には疑問に思えます。現実に現在日本国には過大な借金が発生しているわけでございますが、こんな状況でなお通貨価値を守る、ひょっとすれば、にちぎんはデフレであることがよいことだ、と思っているようですが、そうなりますとこの借金の重さはより増えていくことになるわけでして、この先の新しく来る人たち、皇太子さまや皇子さまの世代へ、借金をより大きくして渡さねばならないと言うことになります。本当に通貨価値を守ることがそんなに重要なのか、むしろこの状況では悪なのではないか、と言うのが私の思いでございます。 大帝 悪か。 ひろさと 先日も申しましたが、もし戦後のインフレが無かったら、今でも日本人は太平洋戦争の借金を払い続けなければならないし、場合によっては日露戦争のときの借金を今でも払っているかもしれません。そのようなことが果たしてあっていいものかどうか?確かに財政規律というものが重要で、財政規律を守ることで大きな借金を作らない、そして独立した金融政策で通貨の価値を守ることが、両輪として運営されればそれはそれでよろしいかと存じますが、片や通貨の価値は守っているけれども、財政規律が今のように崩壊してしまっている、となりますと、もう一方の通貨価値を守れば守るほど、財政規律の崩壊の結果が、国民に重荷となってかかってくることになります。人間と言うのは必ず間違いをするわけです。太平洋戦争のような大きな間違いもありますが、大きな間違いをしたことが時間と共に消えていくということでなければ、昔の間違いが足かせとなって動けなくなってしまいます。このグラフを見てください。各国の通貨はインフレでおのおの“堕落”しています。日本だけが最も重い債務を抱えながら、通貨の操(みさお)を守っている。しかし果たして、それで良いのでしょうか?この20年間で積み上げた借金がより重荷となり続けると言うようなことで良いわけは無いであろう、と思っています。そのためには現在のにちぎんの唯我独尊でドグマチックな、通貨価値の維持と言うことのみに専念するスタンスはいかがなものかと思います。まして今回のデフレの原因となったところの大きなバブルの発生とその崩壊と言うことにつきまして、にちぎんには少なくともこれを止めなかった不作為の罪がありますし、ベルナーが示唆したことが本当なら、意図してそれを行ったという疑惑まであるわけでございます。ここは日銀の独立性にあまりこだわらず、通貨発行権というものが果たして誰のためのもので、何のためにあるのかをもっと考えるベきではないのかと思っております。 ![]() 通貨発行権は誰のために 大帝 通貨発行権? それは円を発行する権利であろう。それは最後は当然日本国にあると思っていたが、にちぎんイコール日本国というものではないと言うことか? ひろさと 通貨発行権ということにつきましては、これをめぐる大変な歴史がございます。現在の日本などでは中央銀行に金利を払ってお金を借りる、と言う形ですが、いや、国家に通貨発行権はあるのだから、政府紙幣を発行すべし、との意見がございます。しかし2種類の通貨が流通するのでなかなかメジャーな意見にはなりにくうございます。今の状況では通貨の発行はにちぎんがすることで、政府はそれを使うひとつのユーザーと言うことになるでしょうか。EUのように通貨発行権を既に各国が放棄をして、統一のEU中銀がそれを持つという例も出ておりますし、その先に世界統一通貨を実現する狙いもあるのかもしれません。アジア統一通貨ということをおっしゃった方もおられます。私はこれは大変危険な考え方であり、国と言うことを考えますとこれを受け入れることは、亡国の沙汰となりかねないことと思います。今のような状況で通貨統一でもすれば日本人は永遠にこの借金を背負うことにもなりかねないのです。 田筑 ひろさと殿、ここまでの話では、 大規模な国家ファンドを創設して、国の将来のための投資を行う。 そのファンドで為替の資金を逆流させて円安トレンドに転換させる。 原資は日銀の国債直接引受でまかなう。 ということになりますかな。しかも規模は場合によって規模は数百兆円と。しかし、現在の日銀の資産規模自体が100兆円ぐらいだったと記憶しています。そこに数百兆円の引受をさせる。実際は日銀はとても従わないでしょうし、日銀の独立性からいって実現は難しそうですな。 大帝 にちぎんには要注意。十分注意するように。 管宰相 陛下、どうかされましたか? 大帝 いや、なんでもない。しかしもしひろさとの言うインフレ策が抜本的な解決策となるなら、その方向へ進めればいいのではないか、管宰相。そうなれば、皇太子や皇子に回すツケを幾分かでも減らすことが出来ると言うこだろう。にちぎんのことなど気にするな。 管宰相 陛下も少し過激になっておられますな。ともかく、ひろさと殿。田筑殿の言われる通りなかなか難しい話ですね。実現のための具体策はあるのですか? ひろさと それではこれまで述べてきたことを集約いたしまして、「デフレ脱却、国家財政再建」のための私のプランを述べさせていただきます。 大帝 これは「乞うご期待!」と言うことかな? ひろさと ご期待に沿えますかどうか。題しまして「デフレ教の総本山、にほん銀行焼討ち計画」でございます。 第1章 PART1へ さくら咲誇るくに TOPへ 激変した世界の貿易構造 ひろさと もちろん、さまざまな懸念もあります。しかしこういう手を打つことこそ、「国家戦略」ではないでしょうか?交易条件を改善し、将来の子孫に資産を残す。アラブでの国々では、石油が枯渇する将来に備えて長期投資を延々としております。要は現在と将来の日本のために、資金を逆流させよう、ということです。 それから、円安に持っていったときの輸出増の問題ですが、この20年でいかに世界が変わったか、と言う話をいたします。この表を見ていただきますと、これは1990年から最近までの世界各国の輸出高シェア、を書いてみたものですが、これを見ると大変な変化が起っております。すなわち20年前には日本は世界の貿易高のうち8%以上の輸出シェアを持っておりました。これが現在は5%でございます。それに対して20年前に2%以下であった中国がなんと現在は10%にっ迫り、日本の倍近くであります。それからEU成立と言うこともありますが、ドイツが世界首位です。韓国も相当伸びておりまして日本の半分を超えています。経済規模との比較でいえば大きいな、と思います。すなわち日本は世界の貿易の中で相当地盤沈下している、と言うことです。世界中が日本の輸出におびえていた、集中豪雨的な輸出というように一時期言われていましたが、そういったものにおびえていたのはほぼ昔話になったのでは、と思います。 管宰相 おっしゃることは、少々輸出振興しても既に世界が脅威とは思わない、と言うことですか? ![]() ひろさと 中国のこの数字を見ますと、日本がこれから少々輸出を伸ばしたからと言ってそれが世界の大問題だと言うことにはならないじゃないか、ということです。経済規模で抜かれたと言う話がありますが、輸出規模でははるか前に抜かれておりますので、これをぜひ追いかける形で輸出による景気浮揚を考えてもいいでしょう。そのためには「円安」が大きなキーワードになるかと思います。アメリカがいろいろ言ってくるかもしれませんが、そこはここまで我慢に我慢を重ねたことを前提に、開き直る覚悟を決めるべきでしょう。それから円安に誘導しますと先ほどの内外価格差の問題で国内物価がドルベースでは下がりますので輸入物の価格は上がる、よって輸入インフレと言うことですがテーマであるインフレの芽を伸ばすことが出来ます。 大帝 しかし、円安になって輸入品が高くなりました。よかったですね、とはならんであろう。 円安メリット ひろさと それはその通りです。輸入品が高くなるデメリットを我慢していただくわけですからそれ以上のメリットがないと意味が無い。円安メリットとしてまず景気です。輸出企業には直接のプラス材料となりますが、それだけでは限定的ですね。円安トレンドに転換したことの認識が広く行き渡れば、国内での生産メリットを見直す動きが出てくるでしょう。中国の人件費上昇やマネジメントの難しさとの比較においてです。それから、ソフトウエア産業を代表とする頭脳生産系産業、またコールセンターなども海外流出しています。中国の大連などは日本からの需要で市の成長率が15%もあるそうです。こうした産業も円安となれば競争力が戻ります。また、今後の成長分野として期待がある分野に観光があります。アジアの観光客を取り込もう、という流れですね。この分野にも円安は当然大きな追い風となります。ちょうど中国からの観光客が増えだしたところですからこれを大きな波にすることが大きなテーマです。今日本からの海外旅行は1500万人ぐらい、海外から日本へは未だ半分ぐらいですから。もちろん為替の問題だけではなく受け入れ態勢もありますが、雇用や投資増にもつながります。東京はミシュランで世界一星が多い都市ですね。アジアの金持ちが東京の料理を目当てに週末観光に来てもいいでしょう。 管宰相 観光立国は確かに大きいテーマなんですね。 ひろさと 私のざっとした感想ですが、日本は一度腰を落として身をかがめる必要がある。一時期の世界史にも残るほどの成功をしましたが、それによって急速に円高となった。一人当たりGDPで世界3位までなっていました。その時上位はルクセンブルグ(人口約50万)などですから、規模の大きい国の中では1位でした。しかしこれは国土の条件や国際政治力などを考えれば、ちょっと身柄にあわない評価だったのではないでしょうか?今必要なことはちょっと身をかがめる。円安になればドルベースで一人当たりGDPは減りますし、海外のものは買いにくい、海外旅行もしにくい、でちょっと貧乏になった感じはします。しかし今の80円台では中国との比較で一人当たりのGDPは全体でほぼ並んでいるので人口が10倍以上、よって中国は未だ日本の10分の一以下、韓国も4割弱しかありません。1980年代のように日本だけが工業化していて中国は未だほぼ農業国という時代なら大差が有ったのも当然ですが、今や各国同じ土俵で戦っている、であればGDPギャップも近づくのが当然でしょう。円安で少し身をかがめて、交易条件を競争しやすくすることが必要な時代になったのではないでしょうか?実際購買力平価で言えば中国の経済規模は実はもう日本の倍以上、という考えも出来るんです。為替レートがおかしいだけで、今後の課題は元高、円安にして実態にあわすことでしょう。 ひろさとの提案2 円安誘導で周辺国との一人当たりGDPのギャップを調整する。 円安によって国内製造業の投資と雇用を増やし、ソフトウエア産業などの国際競争のある 労働集約産業の賃金、競争力を高める。 円安によって観光立国化のトレンドを強化し、様々なサ-ビス業の雇用と投資を生む。 第1章 PART1へ さくら咲誇るくに TOPへ 国家ファンドで資金を逆流 ひろさと そうです。輸出で稼ぐ資金が常に輸入資金を上回っている。そのアンバランスで円高になる。円高になっても輸出企業ががんばるのでアンバランスが続く。さらに円高となる。その間に輸出企業や中小企業や若者は身を削っている。こんな悪循環でしょう。そこで、アンバランスな分以上の資金を海外に逆流させる。 管宰相 介入じゃなく?仮に為替レートをある程度介入で円安に持っていったとしたら、そこでまた輸出が増えてそれがまた円高圧力を生むと言うことで、介入したものは逆効果ということもありえりるわけで難しいところですよ。 ひろさと 介入と申してもよいが、ただのレート修正ではなく実需に伴った円売り外貨買いです。具体的には日本版の国家ファンドを設立するのです。 大帝 国家ファンド? ひろさと 一般的にSWF(Soblin Welth Fund)とも言われます。既に世界に多くの例があります。 日本でも国家戦略として大規模な国家ファンドを設立する。そのファンドをバックに大規模に大胆に外貨を買う。そして、その外貨で、日本の将来に必要なものを買う。 大帝 将来必要なもの? ひろさと 資源、利権、海外資産、などでしょう。日本の問題としてバランスを欠いている点は、輸出によって外貨を稼ぐことには非常に熱心だけれども、稼いだ外貨の使い道について方針が無い、戦略が無いと言うことではないかと思います。そのためにどこまでも円高になる。自分のために逆に資金を流していない。この点で実は最近見習うべき国がございます。 大帝 ほー、まさかアメリカではないだろうから、ほかに手本となる国があるかな。 ひろさと お近くの昇り竜、中国でございます。 大帝 中国? 追いつかれた、と言う話は有るが手本にするとはどういうことかな? 中国に学び、稼いだ外貨を有効に使う ひろさと 中国の現在の指導者は、鄧小平が70年代後半から改革解放に取り組んだときから、欧米に留学生を盛んに送り込みまして、特にアメリカに多く行きました。明治の日本みたいにですね。アメリカ仕込みのマクロ経済に強い層が指導者に多いんです。中国の政治家のもともとの性格である長期的・戦略的な政治スタンスに、アメリカでのトレーニングを積んで、今の日本の政府筋に比べてはるかに長期のマクロ経済運営に強い人がそろっております。彼らは非常に活発な長期計画にもとづく経済行動をとっておりまして、これだけ中国の輸出が超過となっておりますが、外貨準備がたまる一方で大変活発な資源外交、対外投資をやっておりまして、貿易で獲得した外貨を資源や海外での利権を獲得することに相当量使っております。通常貿易黒字が大きくなりますと外貨がたまる、中国もたまっておりますが一部はそうした投資に使っているということでございます。このあたりが日本がまったく遅れてしまっているところではないかと思うわけでございます。これは専門筋の話ですが、中国は現在石油輸入国ですが、輸入量の既に3割は自国の海外投資先からの購入となっている、との見方がございます。 大帝 それでは日本はどうすればよかったと言ってるのか? ひろさと 大帝、日本は国土が小そうございますな。その上、山が多く平たい土地がさらに少ない、これが以前土地がバブルとなった大きな原因ですが、このためにたとえば農業をやっても国際競争力がありません。管宰相のところも農業をひとつの柱にしよう、と言うような話をされているようですが、いかんせん狭い国土でそういうことをやりましても、前提条件で難しい面がございます。そのため、食料自給率も低くなっておりまして、カロリーベースでは40%弱くらいしかない。これは日本の大きな問題でございます。それから、資源が無い、多くのものを輸入に頼っている、もし資源が確保できなくなった場合にはたちまち困ります。であるのなら、国家戦略として将来を考えるならば、しかも現在のように過去より国際的なルールが確立されてきている状況では、海外の利権、自国に足りない部分の利権を手に入れていくことがあってよいでしょう。利権そのものが手に入らなければ大規模な備蓄計画を立てることも考えられます。もっと手っ取り早いのは資源などの関係の株を買うことですが。以前であればそうした利権は戦争で獲得しておりましたが、現在は経済ベースで手に入れる事がある部分可能でございます。農地であっても資本と技術を投下すればいい農地になりそうな土地を確保して、わが国の力を活用してすばらしい農地を作る、そんな候補を世界中から探して開発する、でありますとか、鉱業資源、石油を含めてあらゆる種類の資源の利権も獲得することを考えて良いでしょう。それによって資源の安全保障を確保することも可能になります。前回の戦争の時のしゃにむに海外進出していった、領土も拡張して行ったことへの反省があって、利権を取る、と言うことについてはわが国は臆病になっています。また、アメリカの鼻息をうかがう、と言うこともありまして、あまり利権ビジネスで派手な動きをするとアメリカに睨まれるのではないかとの心配を持つ向きは、こくみんの深層心理を含めて、根強いものがあります。以前トラの尾を踏んでひどい目にあった政治家もいたやにうかがっております。しかし現在ではこれだけ中国が大規模にやっております。彼らには戦略のみあって、アメリカへの気後れなどございません。ここは争奪戦にもなるかもしれませんが、日本も出来るところからそろりとそうした動きに参加していくことは可能ではないかと思っております。まさに「国家戦略」の必要なところではないでしょうか。 大帝 加工貿易で稼いだ外貨を、海外での農業であるとか、鉱山・物資などの利権を獲得するために使ってしまえ、と言っているのか? ひろさと その通りでございます。それによって輸出で稼いだ外貨を日本の国全体の資産として持つことが出来ます。そしてこうした資金還流は、世界のためにもなると思います。もちろんこれは民間ベースでやってもいいわけですが。そしてそうやって資金を還流することで、とめどない円高に歯止めをかけ、日本のものづくりが生きていけるレベルに保つ。これまでのままでは、必死で輸出して外貨を稼ぐけれども、そのために円高となって海外で戦えるエースが選手生命を脅かされることにります。 大帝 管宰相どう思う? ひろさとの提案1 大規模国家ファンド設立によって日本に将来必要な海外の権利、資産、物資、などを獲得する。 資産獲得のための外貨を調達することで、輸出代金の海外への還流を図る。 外貨調達は水準に配慮しながら長期で円安に誘導する。 管宰相 確かに今までのわが国のやってきたことでは、今おっしゃったようなことはあまり積極的で無かったかもしれません。ただ、金でそういうものを大規模に買っていく、と言うことですと何やら侵略のような気もいたしまして、私としては気が進みにくいところもございます。また、政府がどこまでやるものか、というのも難しいところです。 ひろさと もちろん進め方にはさまざまな配慮が必要です。派手にやると国際的な非難を浴びますでしょう。しかし、国の大きな方針としては、加工貿易で稼いだ金を、将来に備えて自国に足らざるものに投資して、これを補うという至極まっとうなことに使っていくわけですから、しっかりした方針と計画を立てて、進めていって何が悪いのか?国家間の利害は相反するのは当然ですから、どうやって折り合いを付けていくか、そこはまさに仕事をするところでしょう。ひとつ申しあげますと、こういう形で国の資産を残していけば、借金ではなくて資産を子孫に残すことが出来ますし、海外でそういったダイナミックな活動をするためには、日本自体がもう一度、特に若者をトレーニングするということも必要になってまいりますので、今のように内向きになっている日本人にカツをいれる、目を輝かせた若者を作ることにもつながるのではないかと思っております。 管宰相 ひろさと殿の意見は、政府でやろうと言う計画ですね。それとも民間も絡めるのかな? ひろさと これはリスクが大きく民間主導では規模が大きくなりません。先頭を切るのは国でしょう。どうやったら出来るのか、官僚にそんなことができるのか、と言うことがありますが、日本中、あるいは世界中のノウハウをかき集める、または名人を探す。基本は方向の決定とリスクの負担は国家、運営については出来るだけ民間の実務経験と知恵のあるものを活用す、と言うことでしょうか? 管宰相 為替を円安に持っていくことと、今の計画はつながっているのでしょうが、全体としてどういう運用するのかということについてはどうですかな? ひろさと 大きな国家ファンドを作ればそれだけで円安圧力になりますが、為替市場にはレベルを決め下値買いで継続的に買いを入れることでしょう。当面のめどは購買力平価です。各種の比較では120円どころではないでしょうか。今までは為替介入をして、円を売ってドルを買った、それは米国債を買って持ったままにしている、となっていますが、介入で得た外貨は国家ファンドで保有し徐々に実物資産に投資していきます。 さて、そんな金はどこにあるのか、と言うことになるかと思いますが、これはまたあとでお話をしたいと思います。 大帝 そんな金があるなら借金を返した方が良いかもしれんぞ。 管宰相 国家ファンドで円安に誘導ですか?うまくしないと二重の非難を浴びそうですね。それと投資のリスクも心配です。大きな穴をあけることもありますからね。 第1章 PART1へ さくら咲誇るくに TOPへ 余談ですが ひろさと ところでこれは余談ですが、この購買力平価というのはいかにも分かりにくい名称で、とっつきにくいのですが、重要は重要な考え方です。 もともと金平価という言葉があって、金本位制ならおのおの通貨の値打ちはその通貨と金との交換レートで決まるわけですね。もし円もドルも金と交換できるなら、円ドルレートは自動的に金を仲介として決まって毎日動くようなことは無い。現在は通貨と金がリンクしていないので、そうはならず毎日上がり下がりに一喜一憂することにもなるわけですが。購買力平価説というのは、この金の代わりに、おのおのの通貨が持つ「購買力」を基準に通貨価値が決まるはずだ、ということです。「購買力」は裏返せば「物価」とつながりますから、内外価格差問題ともいえるわけです。 ところで、この、購買力平価についてははっきり理解している人がほとんどいないかも知れない、というのが余談です。先日ある有名な「経済学者」といわれている人の本を見ていましたら、そこには「購買力平価で言えば円は60円台でもいい」、と書いてある。不思議なことを言うな、と思って根拠を追うと、「95年を基準としてその後の日米の物価を見ると、アメリカの方が日本より物価が上がっている、よって購買力は円の方がより高まっているから、95年より円高であることが正しく、計算すると60円代後半である」、という意味のことを、もっと分かりにくく言っております。 しかし、先ほどのグラフで分かるように、95年は日米の内外価格差がもっとも拡大した時期なんですね。倍近く日本の国内物価が高かった。その異常な時期を基準にして、この先生は「まだ円は安すぎる」と述べておられる。内外価格差は時間とともに無くなる、という購買力平価説の基本の基本を忘れて、数式で遊んでいる。よくこんな珍説を展開できるものだなと、失礼ながら腹を抱えて笑ってしまいました。ところが、なんとその後、天下?の朝日新聞にこの先生が一面ぶち抜きでやはり同じ論旨のことを大々的に述べておられる。止める人はいないのでしょうか? 日本の学会もマスコミも、随分やさしいのか、レベルが低いのか、この先生も頭が悪いのか、それともアメリカから何か貰っているのか。こういう人の珍妙な話で円高がさらに進んだりすれば、本当に円高で苦しむ人たちにとっては犯罪行為だと、今度は怒ってしまいました。 田筑 話がそれましたな。マスコミはおもしろければ囃します。学者の責任は問いません。 犠牲となっている輸出企業、中小企業、若者 ひろさと 失礼いたしました。話がそれました。円高の話です。すなわち原材料輸入、加工して輸出、しかも輸出企業の対応力が並外れて強い、という日本の構造が貿易収支の逆転に至らない原因でしょう。しかしながら、円高になると輸出企業にはより重い負荷がかかり、円高のフルーツはそれ以外の企業や消費者が食べると言う構図が続いています。私はこれは輸出企業への負荷のかけすぎではないか、世界の中での金の卵を産むニワトリがせっかく日本にはいるわけですが、これにほかの部門が乗っかかりすぎて輸出企業は息も絶え絶えになっている、そんな印象がございまして、本当にこれで良いのか、といつも思っております。輸出企業ががんばる、すると輸出が増える、でまた円高になる、円高になるとまたがんばらなければいけない、そのうちに段々、輸出企業が疲弊いたしまして、工場も海外に出たり、金の卵を産むニワトリが耐え切れなくなって死んでしまう。これでいいのでしょうか?「円高こそ日本の国益」と主張される方が結構おられます。たしかに一般論として一国の通貨は弱いより強い方がいいのですが、今の日本のようにデフレの重圧で全体が押しつぶさそうなとき、またせっかく世界で戦えるエースがいるのにそれを酷使し、雇用を外に出しても円高がいいというのはちょっと理解できません。置いていかれた中小企業はどんどん消滅しているわけです。 管宰相 為替については確かにあまり円高では輸出企業への悪影響は無視できません。輸出企業に聞いてみますと95円くらいがいいのでは、との声もあります。しかし、為替のことは水準についてあまりコメントをしないと言うのが政治の基本です。 大帝 それで秘策はどうなったんじゃ? ひろさと 私が申し上げたいのは、円高はメリット、デメリットがありますが、これまでの延々と続く円高は、デメリットを大きくしすぎた。日本経済にすでに取り返せないかもしれない損害を与えた、と認めないといけない、ということです。本当の経済の草の根だった製造業の中小企業を根絶やしにしてしまいました。また、若者のワーキングプアと言われる問題がありますが、これも大きな原因は円高です。中国やインド、韓国などに雇用が流出しているのです。製造業の代わりの雇用の受け皿となっているITやソフト産業は中国やインドとのバランスで賃金が決まる一面があります。結果としてソフト技術者の給料は非常に安い。結局円高は、製造業を苦しめ、中小企業をつぶし、若者の雇用と賃金を奪っています。メリットを受けるのは、恐れながら陛下の世代、貯金が有って年金がある、または収入が保証されている公務員など、となるわけです。 大帝 突然逆襲に来たな。わしがうまいもん食ってるのは、若者の犠牲の上だと? 田筑 そういわれるとそれも理屈のような... ひろさと もちろん若者にもブランド品や海外旅行が安くなっていい、などのメリットもありますが、海外旅行が国内旅行よりいつも大幅に安い、という今の状態がほんとに望ましいのでしょうか? 管宰相 中小企業や若者を犠牲に、と言われると私もちょっと心穏やかではありません。ただ、日本だけが例えば介入をしてドルなどを買ってもなかなか効果が上がるか難しいところです。 ひろさと この円高トレンドを脱却・反転するためには腹を据えた本格的な対策が必要です。小手先の介入ではトレンドを転換することは出来ません。 大帝 腹を据えて、本格的に何をするんだ? ひろさと 資金を逆流させるのです。 大帝 資金を逆流させる? 第1章 PART1へ さくら咲誇るくに TOPへ インフレの誘惑 大帝 おぬしもメモを読んだであろう。ひろさとが言っておったが、大きな借金を返す方法には、まじめに返す、インフレによって借金の価値を減らす、または薩摩藩のように踏み倒す。この3つしかないだろうというんだが、わしもその通りだと思う。まじめに返す努力は必要だが、どうしても子孫にツケを残すことになってしまう。であるならばインフレによる借金の圧縮ということをひとつは考えなければならないであろうと。実際にアメリカは緩やかなインフレが続いているがために、あのレーガンの頃騒がれた借金はその分小さくなっておるわな。ま、日本が世界一の借金持ちの政府になってしまった以上は、それをもっと速いスピードでやるということを考えるべきではないかと。踏み倒すと言うのは何をどう踏み倒すのか、ちょっとわしにはわからんが、まずはこのインフレによって借金を圧縮すると言うことを考えてみたらどうであろう。今はあたかもデフレであって、逆の方向に行っていて、借金の嵩(かさ)がどんどん膨らんでいることになろう。そちはどう思うか? 管宰相 確かにインフレによって物価が緩やかにでも上がっていきますと、少しずつでも借財が減っていって、実質上楽になっていくということもあります。加えて景気のプラス面も考え、私どもではインフレターゲット論ということで日銀には緩やかなインフレになるように提案をしている部分もございますが、一方でインフレになりますと低所得者でありますとか、年金生活者などにはしわ寄せが参りますのであまり急激なインフレもこれまた好ましくありません。それと、インフレについては起こそうと思って簡単に起こせるものでないと言う意見もございます。また、にほん銀行は、通貨の価値を守ることについて大変強い気持ちを持っておりまして、全体としては政府としてどのように取り組んだらよいのか、という方針が固まっていないところもございます。 大帝 まあ、正直な感想かもしれんな。どうやってインフレを起こすか、についてはわしもまったく分からんが、そちが言うように確かにいろいろなところに痛みを生じるし、わしも自分の貯金や年金の実質的な価値が減るということも本来望むものではない。しかしやはり、わしの残された時間と言うことを考えれば、いわば痛みに耐えるようなことをしなければいかんであろう。何も無くて借金が消えていくということは無いわけだから、必ずどこかに痛みを伴うのだ。これはもっと真剣に考えるべき問題ではないのかね? 皇太子たちに借金をおっかぶせないためには、超えなければならない試練かもしれぬ。 皇太子 父上、そのようなことを言っていただけるとは正直思っておりませんでした。私は、いろいろ心配をしていた反面、私の仲間、特に若い者たちには諦めと申しましょうか、あるいは冷静な見通しと申しましょうか、もう、この国を出て行って、もっと先の見通しのあるところへ移った方がいい、と言うようなことを真剣に考えておるものも実は結構多いのです。そんなことになればますます、国も衰退していくことになりましょうし、そうはならんようにぜひ真剣にお考えいただきたいと思います。 大帝 ほう、国を捨てようかと考えるものも若い者の中にはいるのか。さすがにわしらの世代はいろいろ批判はしてもそこまでの考えのものはほとんどいなかったが、これだけ情報が流れるようになるとそうしたものも出てくるかもしれんな。やはりそうあってはいかんのだ。みな前を向いて、寄り添って生きていける国を残していかねばならん。のう、管宰相。 管宰相 陛下の思いがそこまでとは正直驚いております。そのようなことであれば、私もこの問題をより一層真剣に考えて見たいと思います。さて、借金圧縮にインフレが有効なのはもちろんですが、インフレ是か非か、についてはそれで大きな議論をせなけばなりません。また、どうやってインフレにするのかということも簡単な話ではございません。やりようを間違えれば、いわゆるハイパーインフレと言うようなことで、インフレが止まらなくなる恐れもございますし、具体的にどうするか、が問題でもございます。 大帝 そうじゃのう。具体的にどうするか。さて、ひろさとよ。ここまでいろいろ説明してもらったが、お前の言う3つの方法、まじめに、インフレ、踏み倒し、の3つだが、このワンツースリーは実際にはどう実行するのかという具体策が必要になってくるが、お前にはその策もあるのか? ひろさと 良策かどうかは分かりませんが、私の思い、というものはございます。 大帝 遠慮なく申してみよ。管宰相の参考にもなるかもしれん。 ひろさと 生意気を言うかもしれませんが、あくまでも喫茶店のおやじのつぶやきと思って、ご容赦ください。大帝もお考えになっておられますが、「世代責任」と言うことにつきましては私も同じ世代でございますので、同感でございます。すなわちこの20年で借金が急膨張してしまったわけですから、世代責任としてはこの20年間に責任ある立場にいた世代が主な責任を負わなければなりません。今現在で50歳以上の世代だと思いますが、この世代が今の財政問題については主体的に解決しなければいけないし、負担も負わなくてはいけないと言うことだろうと思います。そのためには先ほどの3つの方法の中で最もふさわしいのはインフレでありましょう。これ以外にも世代負担を考えるなら、財産税を徴収するとか、相続税を大幅に引き上げる、と言うような方法もあるかとは思いますが、よりわかり易い方法としてはインフレだろうと思います。インフレによって借金の実質的価値は下げる、ただ、毎年の歳入歳出については、皇太子様の世代を含めこくみん全体の問題でございますので、これは宰相がおっしゃったようなさまざまな努力によってプライマリーバランスをそろえるのは当然だと思いますが、過去の借金を減らすためにそれ以上に負担を増やすのは、程度を超えますとまさに子孫を奴隷化することになりますので、これを主たる方法とするわけにはいかないでしょう。 インフレ転換策 ひろさと さて、いかにしてデフレからインフレに方向転換するか?そのために先日、戦犯のところでデフレの原因としてあげました理由をもう一度見てみましょう。 1.内外価格差-海外物価が国内より安い、原因は円高。 2.中国を中心とする海外の生産力増大、円高も一因。 3.流通の合理化、大資本化、通販・ネット化、による価格破壊 4.高齢化、社会の成熟化による需要の減少 5.金融の縮小、銀行の与信姿勢が消極的であることによる経済の不活性化。 これをもっとまとめますと、1と2は「内外交易条件」、3と4は「国内経済の構造」、5は「金融」の問題と言い換えることが出来ます。デフレから脱却してインフレの流れを作るにはこの3つのファクターをインフレ側に持っていかなければなりません。すなわち、 「内外交易条件」の改善 過当競争で縮小均衡状態にある「国内経済の構造」の是正 萎縮している「金融」の建て直し を行うことです。中でももっとも先に手をつけるべきは「内外交易条件」の改善、簡単に言えば思い切った円安誘導でしょう。プラザ合意以来、もう25年間も続いている円高トレンドを転換させるのです。 大帝 どうやって? ひろさと それについては私に秘策がございます。 大帝 ほ! ひろさと その前にひとつお聞きください。円安に持っていくべき背景を。 大帝 もったいぶるなあ。 ひろさと 恐れ入ります。為替の水準は各国の物価が同じになるように動くはずだ、と言う考えがあります。購買力平価説というそうですが、たとえばニューヨークで1ドルのものが東京では大体100円なら、1ドルは100円、東京では150円なら1ドル150円、50円なら1ドル50円になるべきだと。 大帝 そう言われるとそうかな。ちょっとこんがらがるが。 ひろさと この物価の水準を各国横比較で調べているところがいくつかありまして、なかでOECDの調査は長くやっています。1ドルのものが各国ではいくらぐらいですか、ということを幅広い商品で調べて平均してるんですね。その日本のデータがこのグラフです。その時点でアメリカで1ドルのものが日本国内でいくらか、ということと、そのときの1ドルの為替レートがグラフにしてあります。 ![]() ひろさと これが内外価格差になります。つまりアメリカに行けば1ドルのものは円に換算すればその時の為替レートで買える。それに対して国内の物価ではそれがいくらというのがこのグラフです。たとえば95年で見てみますとドルレートが年平均で94円になってるのに、1ドルのものが国内では174円もしていた。つまり、85年以降ずっとアメリカあるいはドル圏では日本より平均すると物価が安かった。これが日本のデフレの圧力になります。ちなみに、ご参考としてお隣、韓国のデータがこちらですが、こちらはずっと国内の方が物価が安い状況が続いています。このためもあって、韓国では日本とは逆にインフレでして、この10年の平均で年3.1%物価が上昇しています。 ![]() ひろさと 為替が物価に引っ張られる、というのが購買力平価説なんですが、どうも私には物価が為替に引っ張られているように見える。これはやはり日本の輸出産業が強かった。内外価格差で言えば不利なのに、それでも輸出でドルを稼いだ、ということです。輸出代金で入ったドルで円を買う圧力が常にある。しかし、一方で無理をしているともいえます。利益を削り、身を削り、といったことをしている。 第1章 PART1へ さくら咲誇るくに TOPへ
第7章 この一戦
大帝の覚悟 以来、大帝は心弾まぬ日々を送っている。あの夜に見た夢とも現(うつつ)ともつかぬ情景が何度も、何度も思い出されて、本当にあれが夢だったのか?あのときの松嶋けい子の顔が、ひろさとの搾り出すような回想が、朝に夕に大帝の脳裏に浮かんでは彼の心を苦しめる事になった。元気の無い様子を見て宦官たちが心配をして話しかけてくるが、大帝のふさいだ様子は変わらない。しかしある朝突然、使い番の宦官を呼んで大帝はこう命じた。 大帝 ひろさとにまた参るように言ってくれ。「覚悟を決めた。これからどうするべきか話を聞きたい」と、伝えてきてくれ。 それから数日後の夕刻、大帝の宮殿にひろさと初め田筑(でんちく)、皇太子、皇子が集まってきた。 大帝 ひろさとよ、わしもお前の言う、薩摩藩を立て直した島津重豪(しげひで)公を見習い、腹を据えてこの問題に取り組む事に心を決めた。お前も先祖に恥じぬよう、どうやってこの国の行く末を明るいものにするか、その手立てについて思うさま、述べるがよい。 ひろさと 承知いたしました。大帝が心をお決めいただいたということであるなら、私は思いのたけを存分に述べさせていただきます。 大帝 よろしく頼む。ついては今日は宰相の管仲(かんちゅう)※にもこちらに来るように言ってある。あやつにもおぬしの意見を聞かせて、政治の参考にさせるがよい。 ひろさと これはこれは、管宰相にお話差し上げるとは、恐れ多い限りでございますが、一市民の声、という事でおききいただければ幸いでございます。 大帝 それにしてもまだ来んな。時間は少し過ぎているがな。 ※管仲、現日本国宰相、中国の戦国時代の名宰相の末裔とも? 管仲登場 お知らせ宦官 管宰相がお着きでございます。 大帝 おおそうか。それではこちらへ通してくれ。 管宰相 これはこれは、大帝陛下。本日もご機嫌麗しく、恐悦至極に存じます。 大帝 おお、宰相か。今日は忙しいところ呼び立てして申しわけなかったな。そちとは前回の選挙以来か。どうも、お前たちは選挙のときだけわしのところへご機嫌伺いに来るが、終わってしまうとさっぱりじゃのう。 管宰相 滅相もございません。前回の選挙では大分陛下にお叱りをいただきまして、私も気を引き締めて日々政務に励んでいるところでございます。宦官のほうから今までのこちらでのお話については要約したものを頂いておりまして、ひろさと殿のお話にも大体目を通させていただきました。今日はいかにして国家財政を立て直すか、という事につき、ご意見が伺えるとの事でございますので、私も楽しみにしてまいりました。大帝 おお、まさか読んでるうちに寝てしまったんではなかろうな。ひろさとの話には借金踏み倒しの話まであるし、先祖は薩摩藩の建て直しに尽くしたようじゃ。さあどうする、という話になっても面白い解決策が出るかもしれん。宰相も政治の運営をわしから任されている身であるから、ぜひよく聞いて参考にしたらいいであろう。 管宰相 なかなか政治のことは思うように参りません。前回も消費税の事で少し陛下にお願いしようかと思いましたが、それを申したとたんに、ご機嫌を損ねてしまいまして、私もずいぶん苦労いたしております。 大帝 あれはお前が出し抜けにああいうことを言うからであろうが。わしだってまんざら消費税を上げることが要らない、と思っているわけではないんだぞ。しかし、きのうまでは上げないと言っておいて、突然上げるという。どうも腹が据わっておらんな。自民党も最後のほうはひどかったが、今のお前たちもどうじゃ。出来もせんことをやるやると言ってみたり、右や左と話を変えてみたり。これでは前の自民党のほうがまだ頼りになったと、こくみんが思ってもしょうがないのではないか? 管宰相 痛み入ります。私どもも野党が長かったせいか、追及する事には長けているのですが、いざ政権を持ってみてやや戸惑っているところもございまして、これから気を引き締めていかねばと思っておるところでございます。 大帝 まあよい。忙しいそちにも無理を言って来てもらったんだ。このような事を言うつもりは無かった。わしも、どうも皇太子や皇子に借財を残していくのはまずいのではないかと思うようになってきた。今後の事について、今日は、そちやひろさととも突っ込んだ話をしようと思っている。 管宰相 陛下にご心配をおかけしまして、まことに申し訳のないことにございます。財政の問題につきましては財政の再建と経済成長が両立するように、なんとしてもよい方向に持って行きたいと思って取り組んでいるところでございます。 悩める大帝 大帝 いろいろと苦労をかけているところだな。だが、長い目で見たわが国をどうするか?実は先日、わしは夢を見たんじゃ。ちと、怖い夢であった。わしが死んだ後の時代にいつの間にか紛れ込んだんだが、そこで、そこにいる、ひろさとに出会ってな、いろいろ話を聞いた。その時代にはもう残念ながら日本国はなくなっておったわ。世界政府のようなものの直轄地になっておった。今からもう70年も先の時代だったが、そこにいる者たちは皆わしらの世代が残した借金を、その時代になっても払っておった。借金を払うだけのための生涯を、生まれたときから宿命付けられている、という事であったわ。あれは本当に夢だったのか?いまでも、そのとき出てきた女の顔がありありと思い浮かぶのよ。わしを、恨んでおったな。 あの夜以来、皇太子や皇子たちの世代に、わしらの代で作った借金を残していっていいものかと。なんとしてもそれはわしらの代で片をつけていかねばならん、という気持ちになっているのよ。 管宰相 そのような夢を。確かに子孫に借金を残さないというのは、そうあるべきでございますし何とかせねば、とは私も常日頃考えてはおりますが、現実はなかなか厳しいものがございます。 大帝 管宰相、そちはいくつになった? 管宰相 63でございます。 大帝 わしより3つ下か。その夢ではのう、わしは今から15年後に死ぬんだそうだ。わしが死んだ後すぐに国債が大暴落して、気がついたら日本の主権は世界政府のごときものにそっくり持っていかれておった。おぬしも平均で言えば、わしよりは少し長く生きるのかも知れんが、そんなに違いは無いであろう。 平均余命で言うと、おぬしであと18年くらいか。このままそちたちにずっと政治を任せたとして、18年で今の1000兆円の借金を無くしていくことができるかのう? 管宰相 まあ、無くすことは、これは難しいとは存じますが、まずは毎年の収支であるプライマリーバランスを回復する事で、そのためには大帝や皇太子様にもいろいろとご負担をお願いせねばならん部分も有るかとは思います。できれば10年後ぐらいにはバランスを回復したいとは思っております。 大帝 10年後にバランスを回復するということは、10年後までは借金は増えるという事であろう?でその後8年かけても大して減らんであろうな。それでは結局はそちが死ぬときは、今より多い借金を子孫に残す、という事になるな。わしは今、それではいかん、と思っておるんじゃ。 管宰相 そのように陛下が思い悩んでおられるとは、存じ上げませんでした。痛み入る次第でございます。大帝陛下がそのように危機感を持っていただけるという事であれば、前に申しました消費税の話も少し前向きにお考えいただける、ということになりますかな? 大帝 そうじゃのう。これだけ歳入と歳出に差が出来てしまっている状況では、そちの言う消費税の値上げについても、考えなければならぬかも知れんなあ。また無駄遣いの撲滅だとか、特別会計にメスを入れるであるとか、社会保障もどうであろう、このままどんどん増えてもいいものかどうか、いろいろ考えねばならん。それはそれなりにお前たちが手段を尽くして話をすればわしらも聞かぬものではない。また、どうやって景気を良くして税収を増やすか、についてもある限りの知恵を絞ってもらいたい、と思っている。ただこれまで、話を聞いてきた事によれば、そのような方法だけではやはり子孫に大きな借金を残す、というのは変わらないように思うな。 もっと踏みこんだ抜本策を練らなければだめだ、と言うのがわが国がおかれた状況ではないか、と言うことだ。 管宰相 もっと踏み込むと言うことになりますと、どのようなことをお考えなのでございましょうか? 第1章 PART1へ さくら咲誇るくに TOPへ
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